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むらい さち☆Earth Colors

フォトばな1 -モハメドさん-

東京は、観測記録を更新する暑い日が続いていた9月、その暑さから逃れればいいのに、僕はさらに暑い地、エジプトを旅していた。


大地に草も生えないようなここでは、日中は45度を超え、経験したことのない乾燥した熱風が足元から吹いてくる、サウナに入った瞬間のような息苦しさを、夜になっても感じていた。




旅の5日目、僕はマイクロバスの最後尾に横たわっていた。


出発前の忙しさで身体が弱っていたのに加え、現地の食事や水に当たり、発熱や下痢で体調は最悪、とても長時間立っていられる状況ではなかった。



そしてこの何もない一本道を、すごいスピードで走り続けているバスは、白砂漠に向かっている。


300年前まで海の底だったというその砂漠は、今回の旅でどうしても訪れたい場所だった。



バスに乗り込んだ僕は、迷うことなく最後尾の席を確保、なんとか回復させようと身体を横たえ眠りについた



砂漠へのキャンプには、現地のガイドやスタッフが同行していた。


ガイドの名前は、モハメド。下の名前は難しくて覚えられなかった・・・。


エジプトでは最も多い名前だ。しかし日本の鈴木さんとはちがい、会う人の多くがモハメドさんなのである。きっと、人口の半分はモハメドさんなのでは?(勝手な予測だけど)



日本に住んでいた事もあるモハメドは、流暢な日本語を話す、そして誰よりもエジプトを愛していた。



日本の文化にも詳しいモハメド、それを踏まえて話されるエジプトの話、とても興味深かった。なぜ、エジプト人はフレンドリーなのか、そしてゆるいのか。


それを一概に否定せず、文化として捉えられたら、人の見方も変わって来る。


頭から否定せず、それが文化の違いだと考えられれば、この国ももっと好きになるはず。


そんなことをいろいろと熱く語ってくれた。



バスの最後尾で、遠い意識の中、僕の耳に入って来たモハメドの話。


それは、以前エジプトのルクソールで起きた銃撃テロの話だった。



その時、モハメドもルクソールでガイドをしており、その銃撃音を耳にしたそうだ。


「でも、この時の犯人はたったの3人なんです。でも、それが世界中に報道され、イスラム教は危険な宗教だと曲がった情報が流れてしまった。それが本当に残念でした」


「でも、それだけで全てを判断するのは、皆さんには辞めてほしい」


「この国に来て、いろいろな物を見て感じて、人と触れ合って、それから判断してほしいのです」



人が話に心を乗せたとき、その話は必ず心に届くはず。





砂漠での朝、風もなく、しーんと静まり返った砂漠から、命溢れる太陽が顔を出して来た。


そして、300年前まで海底だったその場所に腰掛け、朝日に向かい話しかけているモハメドさんがいた。


「お祈りですか?」 と僕。


「神様とコミュニケーションを取っているのです」と笑顔のモハメドさん。


日本人なら照れてしまうような発言も、ここでは普通の会話。





その、神々しい姿に、そっとシャッターを切らせてもらった。









フォトばな1 -モハメドさん-_c0073387_1122666.jpg







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